4K/8K時代の映像制作に対応する柔軟なデータ搬送体制を構築

映像の高解像度化と制作現場の多様化により、近年の番組制作では素材データの取り回しや搬送、管理にまつわる課題がより複雑化しています。

本事例では、大手ポストプロダクションの制作現場において、Seagateのストレージソリューション「Lyve Mobile」を導入し、撮影から編集までのワークフローを効率化。柔軟かつセキュアなデータ運用体制の構築を実現しました。

課題

急増するデータと複雑化する制作現場──求められる柔軟で確実な搬送体制

近年の番組制作では、4K/8Kなどの高解像度映像や、VFX・CG処理を含む大容量素材が急増しています。加えて、カメラ機材や編集ツールの選択肢が広がったことで、ファイルフォーマットも多様化しており、データ運用の煩雑さが現場の負担となっています。

そのような中で、以下のような課題が顕在化していました:

  • 撮影スケジュールや滞在時間に余裕がない上に、ロケ先のホテルなどでは回線速度が十分とは限らず、インターネット経由で安定したデータ転送を行うことが難しい
  • データ移動に一時ストレージを利用した場合、複数人の命名ルールや整理方法が統一されず、混乱や重複作業が発生
  • 仮編集用に軽量データのみを送信し、画質の高い素材はやむなく破棄するケースも
  • その結果、後工程において編集作業のやり直しや、最悪の場合は再撮影が発生するリスクを抱えてしまっている

このように、番組制作の現場では、大容量・高解像度素材を安全かつ効率的に搬送・管理できる新たなワークフローが必要とされていました。

解決策

Lyve Mobile による安定かつ高速なデータ運用体制の構築

Lyve Mobileは、可搬型ストレージを活用し、現場で収集したデータをそのまま物理搬送することで、ネットワーク転送の制約を回避できるソリューションです。転送時間の短縮とセキュリティの確保を両立し、現場におけるスムーズなデータ受け渡しを可能にします。

本プロダクションでは、以下のような効果が得られました:

  • 高速な書き込み・読み込みによりデータ処理効率を向上
  • SSD構成により、コマ落ちのない安定したデータ再生を実現
  • 専用の頑強なキャリーケースにより、データの運搬が容易に

特に、カラーグレーディングやオンライン編集工程において、元データを直接活用しながら安定した再生が可能になった点は、大きな成果といえます。

まとめ

映像制作の現場では、ますます多様化・大容量化する素材データをいかに安全・効率的に取り扱うかが鍵となります。

Lyve Mobileは、そうした現場のニーズに応える“持ち運べるストレージ”として、ネットワーク環境に依存せず、確実かつ効率的なデータ搬送を実現します。

映像制作における素材データの搬送や運用にお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。